白内障
白内障とは、本来透明な水晶体が濁ってしまうことで、光が目の奥まで届きにくくなる疾患のことです。
白内障の種類
水晶体の混濁する部位による分類や進行度による分類があり、見え方も様々です。
以下の写真は、すべて顕微鏡で観察した白内障の実際の写真ですが、濁り方によって水晶体の色も白色、茶色、黄色とさまざまで、白内障といっても一概に白くなっているわけではありません。
白内障の症状
- かすむ
- ぼやける
- まぶしい
- 二重三重に見える
- 視力低下
- 近視化 など
白内障が原因で体内時計が狂ってしまうことも‥
ヒトは、目の奥の網膜がブルーライトの刺激を感知して、睡眠ホルモンを抑制しますが、白内障になると、ブルーライトが網膜まで届きにくくります。その結果、体内時計に悪影響を及ぼし、生体リズムが狂いがちで、眠りが浅くなるなどの不調をきたすことがあります。
白内障の治療
初期の白内障では点眼薬が進行を抑える可能性もありますが、残念ながら一度混濁した水晶体は透明に戻ることはありません。
唯一の根治治療(根本的に治す治療)は手術です。現在、日本では年間150万件ほどの白内障手術が行われていて、諸外国と比較すると安価に設定されています。2016年の米国の調査では65歳以上の36%で白内障手術既往があり、世界的にも一般化した術式といえます。
白内障手術でMCI(軽度認知機能障害)のリスクが減らせる?
日本では65歳以上の15%が認知症と推測されています(2025年には20%と予測)。最近は認知症の前段階である軽度認知機能障害(mild cognitive impairment: MCI)が注目され、この段階で治療を開始することが重要であるとされています。
白内障手術で認知症は防ぐことができないものの、MCIのリスクは2割程度低減させることが最近のコホート調査で明らかになりました。
これは前述のごとく、白内障手術がもたらす質の良い睡眠で、生活のリズムが整うことがよい影響を与えていると考えられています。
白内障の日帰り手術
えの眼科クリニックでは、日帰りで白内障手術を行っていますが、ほとんどの場合、点眼麻酔(目薬による麻酔)にて、約5分~10分ほどで終了します。痛みの心配もほとんどありません。